ふれあい通信 No.113

TVドラマ「コウノドリ」への思い

昨年の暮れまで続いたTVドラマ「コウノドリ」は、ドラマにあるような生活を30年間送ってきた私には深い思い入れがあります。
私が仙台市立病院で新生児・小児救急を始めたのが1977年。その8年後には新生児集中治療室(NICU)を作るために東北大学病院に移り、そこで18年間新生児医療に専念しました。
新生児医療というのはNICUでの救急医療だけの様に見えますが、実は「コウノドリ」にあるように赤ちゃんが生まれる前の両親の苦悩、小さく早く生まれた後の不安、悩み。そしてNICU退院後もお子さんの発達、発育、学校の問題などとても長いお付き合いをする医療です。
私はそのためにこども病院時代に「相談外来」という外来を作り、それは今でも続けています。
NICUでの生活
はっきり言えば365日24時間、少しでも気をゆるめると赤ちゃんの状態はあっという間に悪くなるため毎日泊まり込みながら小さないのちと格闘の生活でした。
そんな過酷な生活を求める若い医師は少なく、なかなか人も増えませんでしたが、今では強い意志を持った若い医師が増えています。
「コウノドリ」を見ていると、その頃の自分の姿を見ている様で思わず涙が出てきますが、昔に比べると生活も少し楽になった様にも思います。
二つのいのちを預かる周産期センター
NICUは、今では周産期センターという施設で産科と新生児科が共同に仕事をしています。
毎日妊婦さんの状態と、赤ちゃんが最も安全な状態で生まれる時期や、帝王切開について考えます。
お母さんのお腹に長くいすぎても赤ちゃんの状態が悪くなり、逆にその時期を失うとお母さんの状態が悪くなることもあります。
周産期センターはお母さんと赤ちゃんの二つのいのちをお預かりしています。
TVドラマ「コウノドリ」は多くの医療団体が応援しました
このドラマは「日本新生児成育医学会」、「新生児医療連絡会」、「赤ちゃん成育ネットワーク」という3つの会が支援団体になっています。実はこの前者二つの会は私が以前会長を務めており、「赤ちゃん成育ネットワーク」は現在会長を務めています。それに厚生労働省も支援を宣言しています。民放の一ドラマに学会や行政が支援することは極めて珍しいことです。次回はその内容について考えます。

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